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2017-07-14(Fri)

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年商100億円!ラーメンの名門「一蘭」の秀逸な逆転発想

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ラーメン戦国時代と言われる今、着々とその勢力を伸ばしている福岡発のラーメン店「一蘭」。とんこつラーメンに特化し、現在年商100億円を遂げています。多くのファンを獲得する理由は、その味に加えて独自のシステムにも秘められているとのこと。

このコラムでは、BtoCマーケティングの戦略をBtoB向けにご紹介します。ぜひ最新のマーケティング戦略を自社のマーケティングに生かしてくださいね。

1、ラーメンの常識を覆すカウンター

一蘭の特徴はそのカウンターにあります。その名も「味集中カウンター」。カウンターとスタッフ通路の間に目隠し用ののれんがあり、隣席との間にも仕切りが用意されているので、まるで漫画喫茶のようにクローズドなプライベートスペースが用意されているのです。

「おひとり様」にはもちろん、女性客にも好評。ラーメンはすする食べ物ですし、イメージ的にも女性が入りにくいという課題がありました。それを周りから見られにくい環境を用意することで、ゆっくりと心置きなくラーメンの味を楽しめるようにしたのです。その結果、女性客比率は30%~40%と比較的高い割合を占めるようになりました。

さらに、今では隣の席との仕切りを取り外しできる店舗もあり、ファミリーやグループで利用しやすいように配慮されています。このようにして従来の常識を覆し、新しいスタイルでファンを増やしていったのです。

2、先入観を与えない

さらに、味集中カウンターのメリットはもうひとつあります。それは、スタッフが客席から見えないこと。飲食店では常連になればなるほど「誰が作っているか」を把握する顧客が増えます。すると、「店長が作ったものは美味しい」「見慣れない研修生が作ったものは美味しくない」といった先入観が生まれやすくなるのです。

もちろん、チェーン店では作り方をマニュアル化するケースが多いので、味も統一されています。店舗での調理工程は数値化され、作業時間から作業方法までマニュアル化。厨房にはタイマーを多く設置し、スプーンの種類を分けて味の濃さや脂の量を正確に測れるようになっているのだそうです。
それでも周辺情報によって評価は変わってしまうものなのです。

しかし、のれんで目隠ししていれば誰が作ったか顧客からはわかりません。そのため、いらぬ誤解を招くことなくラーメンを提供できるようになりました。一方で、店舗と顧客のコミュニケーションが欠落しないよう、元気な声掛けや手元の仕草の教育を徹底しています。

増加している外国人観光客もスムーズに注文できるよう、英語、中国語、韓国語のオーダー用紙も用意しています。このオーダー用紙は味の濃さや薬味の量などを記入するもので、声に出さずに自分の好みの味を伝えられるため女性客にも支持されています。

このようにして、福岡発のラーメン店はぐんぐんと店舗を増やし、来日客にも好まれるラーメン店の名門に成長したのです。

まとめ

BtoBでも、どこまでサービスを標準化するか悩むシーンが多くあります。カスタマイズして差別化することがメリットとなる場合もあるでしょう。
一蘭が顧客の「個」を大切にしつつもスタッフの「個」を消しているように、標準化と個別化を組み合わせて、サービスの価値を最大化できるバランスを探っていくと良いでしょう。

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